2011年1月10日月曜日

正月行事の備忘録

実家に帰省してきました。(追記:念のため、次の写真は駅前のバス停です。私の実家は民家ですのでもうちょっと先の写真を見てください)
駅前のバス亭、懐かしいが相変わらずのひっそりとしたたたずまいです。
ちなみに、鍵が締まっていて中には入れない・・・。年末だからでしょうか。この通りは伊予北条駅から鹿島まで続く目抜き通りです。といっても、鹿島と地域の鎮守である国津彦命・櫛玉姫命神社への参道と駅は少しずれているので、明治位に開けた道なのでしょう。12個400円のたこ焼きがうまい。


さて、今年の正月は母が入院、妻が身重ということで、私は一人正月と相成りました。
仕方がないので、墓参と正月準備を聞き覚えで行ってみました。母の言うとおりにしてみたので、わりと地元の習俗を伝えているかと思いますが、いかんせん超簡略適当になっております。

まず、我が家では10年ほど前に自宅でお餅を搗く習慣が途絶えました。もちつき機は今も健在ですが、丸める人員が居なくなったのです。私の祖父はとてもうまかったのですが。ちなみに、今年は妻の実家でもちつきをしてきました。関東では本当にお餅を丸めないのですね。ま、搗きたてのお餅は何でもうまいですが。

さて、そのお餅、我が家では大鏡餅を2か所、小さい鏡モチを6か所にお供えします。
大きい鏡モチの一つは「神棚」、もう一つは「お寺」に納めます。
いつのものかは分からない大きな箱膳に、米を盛り、ウラジロを二枚引き、鏡餅を載せます。サトウの鏡餅さん、いつもお世話になっております。

6か所の小さい鏡モチを順に置いていきます。まず、大黒様(我が家では4畳半の仏間にあります。大黒柱の通った部屋にあるのは偶然?)

つぎに台所の荒神様。

台所の荒神様は、祖母が、「ものが無くなるとお豆腐を備えるように」と言っていました。子供のころは本当にお供えするとものが出てくるので信じていたのですが、あれは無くした本人(祖母)が思い出して発見していただけだったのかも。
次に、山の神様。これは本当はこの山(明治の合併まで、寺谷村の祇園社が鎮座していた)のてっぺんの祠に持って行くのですが、


面倒なので我が家のお供え場所に安置。


井戸の神様

それから、家の南北にあるオジノッサン(「御地主様」かな?)。南のオジノッサンは石の塔ですが平成15年頃にあった芸豫地震で家の下に落っこちて割れてしまいました。。北のオジノッサンは安心のコンクリート製です・・。

昔は月の数だけ小さい鏡モチを作っていました。閏月がある時は13個、結構まじめにやっていたような気がします。残りのお餅はどうしていたんだろう?離れとか、他の場所にも飾っていたと思うのですが、昭和19年生れの母にもそこは伝承されていません。祖父母にもっとちゃんと聞いておけばよかったと思いますが、後悔先に立たず。

お餅をビニールかぶせたままにしている理由は、最近イノシシ等の話を聞くから、というより、回収して食べるためです。

神棚のお札を整理し、お床に花を飾ります。

最後に、大鏡餅をお寺に納め、墓参り。

光徳院は嘉元元年(1309)後醍醐天皇勅願所として尊竜上人が再興、のち大永兵火(1525)にて前章、仏像のみ貞観期(810‐823)のものを伝える。本尊阿弥陀如来は国津比古命神社の本地仏として慶応年間まで祀られた、と説明にあります。
江戸期の再興者、松山藩家老の豊島茂太夫が、石神井豊島氏の末裔だったら、愛媛→石神井の移民としては縁があるんだけど、まあそううまくはいかないでしょう(笑)

写真を撮り忘れましたが、高田、いや北条では、玄関の飾りに杓文字型のお飾りを飾ります。これも関東では見かけないのでびっくりした点でした。我が家の締め飾りは親戚の80歳のお爺さんに作ってもらっています。縄くらいは何とか綯えるので、いつか教えてもらって作りたいなあ。


六地蔵さんを経て、いよいよ墓参。曾祖父・祖父・父は別として、以前のブログに書いた、我が家のルーツ西原幸太郎の墓です。


明治の建立ですが、周囲には天明・文政・天保などの墓が並べてあります。「●●童子」が多いから夭折した子供のお墓なのでしょう。改めて確認すると、墓石の建立年と、家の位牌の過去帳の没年は完全に一致します。位牌に院号が追加されている点を含めて、墓石を基に位牌が作られたのかなとも思いますが、一方で墓石が残っていない人もいるので、位牌の根拠は言い伝えや過去帳なのかもしれません。
 天明年間の墓石が、我が家でさかのぼれる最古のご先祖、幸七さま(天明8年没)です。とりあえずここからは実在人物なんだろうなと確認できます。

 墓参も終えて、最後に高田から見た高縄山と鹿島。この祠はかつて菅原道真公が休んでいったと祖母が言っていたがさすがに嘘だろう。ただ、光徳院に勅使が来る事があったそう(この神主さんのブログの充実はすごい。こんな地元を紹介してくれる所があるとは感激です)なので、そっちの関係かも。



こうして迎えた平成辛卯年。家族も増える事だし、良い年になるといいなと思います。

中山間地域フォーラム2021年度シンポジウムのお知らせ

 私が所属するNPO法人中山間地域フォーラムのシンポジウムが7月10日(土)にオンラインで開催されます。 タイトルは「 新たな農村政策を問う ~農村発イノベーションは広がるか 」です。  基本計画が新しくなり、新しい農村政策に関する有識者の提言もなされました。現場の新しい活動と、...